ピックアップ Pick Up
Special Interview 秋山知弘×バーミキュラ ウォック
横から火が入る、水分が飛ぶ、香りが立つ。四川の腕が認めた中華鍋
矢場町駅から徒歩3分。名古屋・栄の路地に佇む、完全予約制の四川料理店「好蘭」。カウンターのみ11席という小さな店に、本格四川料理を求めて全国から客が訪れます。食べログ「中国料理 百名店」には2024年、2026年と選出。腕を振るうのは、オーナーシェフの秋山知弘氏です。栃木の実家は父が営む町中華。東京の四川料理の名店にて修業を積んだのち名古屋に移り、2022年に「好蘭」を開店しました。新製品「バーミキュラ ウォック」を実際に使用していただき、殻付き海老の甘辛黒酢炒めと、中華カステラの2品を作りながら、その使い心地を語ってもらいました。
余分な水分が全く出ない。これはホーローの良さです
この間、青菜炒めを調理してみましたが、水分が本当に出ないですね。青菜がパリッとしたまま、水分の飛びが早いんです。これはホーローの良さがまず一番。「瞬間蒸発ホーロー」がすごいんですね。抜群でした。
あとは鋳物の良さ。高い保温性があって、食材を入れても温度が下がらない。それが合わさって、いいお鍋、いいフライパンになっている感じですね。中華の煮物系もすごく良かったですよ。
殻付きのエビを選んだのは、香りが立ちやすいからです
この料理を選んだのは、バーミキュラのウォックだと香りが立ちやすいから。殻付きで調理することで、よりエビの香りが立ちそうだなと思ったんです。香りをしっかり出すために、あえて殻付きのままにしています。
美味しく作るポイントは、鍋をしっかり熱すること。火が弱くても、鍋をしっかり熱すれば綺麗に仕上がります。油は少ししか入れていないのに、これだけ油が回る。音も分かりやすいんですよ。パチパチと音がして、伝わりやすい。音がしないのは良くないです。大きく高い音が良いですね。僕らはいつも音で判断しています。
パチパチ音が減ってきたら、食材にしっかり熱が伝わっているということ。普通のフライパンでは絶対に出ない熱の回り方です。火が直接当たっていない場所にも熱が回る。鍋肌からの香りづけが、本当に中華らしいところなんです。
ウォックのつくりは、食材にダイレクトに香りが入るように考えられていて、食感も良くなる。重さはありますが、本当に調理のスピードがあがる。鉄製のお玉を使っても大丈夫です。
中華料理はスピードも大事。火が入るのに時間がかかると、具材が割れて旨味も抜けてしまう。素早い火入れができると旨味が凝縮できて、香りも立ちます。
横から火が入る。中華鍋の形状には理由があります
中華鍋の良さは、まず形状ですね。普通の鍋よりも火力調整ができて丸くなっている分、横から火が入るんです。それがやっぱり一番大きい。
四川料理の鍋は焼きになると形が違って、ちょっと深め。焼く料理が多いので、側面からガーッと火を入れる料理が多いんです。なので、この形状はとてもいいと思います。しっかり焼けて、横から熱が入ってくるのが大事なんです。
実は、中華料理では、炒め物を強火ではあまりやらないんですよ。普段は弱火で料理して、ここぞという時だけ火を強くして、横から火を当てる。焦がす手前まで料理するんですけど、焦げは付けない。焦げる手前の香ばしい香りを外側から中に入れていく。麻婆豆腐でもそうですが、側面に香りを付けるイメージです。
香りとツヤ。中華で一番大切にしていることです
中華を作るうえで一番大事にしているのは、香りですね。あとはツヤです。ツヤと香りが高いかどうかを重視しています。出来上がった料理の盛り付け方に関しても、小盛りで出すと、香りは弱くなってしまう。本来は大皿で出して、それを皆で食べるのが一番いいんです。
このウォックがあることで、家庭料理がどう変わるかというと、料理の幅が広がるのではないでしょうか。野菜を使った炒め物はべちゃっとなりがちで皆さん懸念すると思うんですけど、バーミキュラのウォックなら、回鍋肉や焼きそばもとてもいい仕上がりになると思います。肉を焼いて、そこにキャベツを入れて仕上げても水が出ないので、家庭の火力でもおいしく仕上がりますよ。油や調味料の入り方も含めて、家庭料理にはすごく役立つと思います。
蒸気の立ちやすさと、熱の逃げにくさ
バーミキュラのウォックと蒸し器を使って、中華カステラを作ってみて、この蒸気の立ちやすさと、熱の逃げにくさが抜群だと思いました。均等に火が通りやすかったですね。蒸気がよく立つことで、蒸し料理は美味しくなるんです。
ご家庭では、ぜひ魚も調理してもらいたいです。すごく綺麗に蒸し上がると思いますよ。
魚を一匹蒸してもいいし、切り身でもいいですね。蒸気の回りが悪いとしっとりした食感になりませんが、バーミキュラのウォックならしっとり、ふっくら仕上がります。一家に一台あるといい調理器ですね。
お店では、お客さん向けに肉まんを出したいと思っています。
お手入れが本当に楽なんです
お手入れも楽ですね。まず、食材が引っ付きません。焦げ付きになっちゃうかなと思ったら全然ならない。正直、これは使えるなっていうのもあって、チャーハンをガンガン作ってます。
シーズニングも必要なくて、中性洗剤で洗っても大丈夫です。
栃木の町中華から、名古屋の四川料理店へ
僕はとりあえず東京に出たかったので、栃木から上京しました。
名古屋に来たご縁は、お世話になった陳健一さんのお店「赤坂四川飯店」の系列店「スーツァンレストラン陳」が名古屋駅に開店したからです。20年ほど前、転勤みたいな感じで、みんなで東京からわっと移って、その後は東京から名古屋、名古屋から各地へ散っていきました。
自分の店を作ろうと思った時、町中華にするか、高級路線でいくか、正直迷いました。でも、ゴリゴリの四川料理をやりたかったんです。辛い料理や四川の食材を使った料理。オープンした最初の頃は本当に辛い料理ばかりでした。辛いものが食べられない方もいるので、今はコースが12品くらいあって、半分くらいが四川料理。辛さを調整しながらやっています。いずれは現地の四川人が作るような料理も出していきたいですね。
店の名前は、実は全然決まらなくて。妻に「何を迷ってるの。あるじゃない」と言われて、その名前を使いました。父の店の名前です。もともと、父の店を継ごうと思っていましたが、一度東京に出てしまうと栃木にはなかなか戻れず、名前だけ継がせてもらいました。
父が作る料理は、本当にすごいと中華の料理人になって思います。餃子だったり、父からレシピをもらって何回も作っていますが、全く同じ味にならないんですよ。長年の経験と勘で、食材に合わせて微妙に調整されているんだと思います。季節によってキャベツの水分量も全然違いますし、レシピがあるわけでもない。言葉では、文字では起こせない何かがあるんだと思います。
バーミキュラ ウォックの魅力を一言で表すなら
バーミキュラ ウォックの一番の魅力は、汎用性が高いので、家庭でも使いやすいし、熱がしっかり伝わって冷めにくい。それに尽きますね。
中華って構えてしまう方も多いかもしれませんが、これがあれば家庭料理の幅もぐっと広がると思います。
秋山氏に教わる
VERMICULAR WOKレシピ
Recipe1
殻付き海老の甘辛黒酢炒め
Recipe1
中華カステラ
好蘭
秋山知弘
Tomohiro Akiyama
栃木県出身。高校卒業後に上京し、中華料理の道へ進む。「赤坂四川飯店」にて修業を積んだのち、名古屋へ異動。系列店「スーツァンレストラン陳」にて腕を磨き、2022年、名古屋・栄に本格四川料理店「好蘭」を開店。食べログ「中国料理 百名店」に2024年、2026年と選出。完全予約制、カウンター11席のみで、四川の食材と技法を生かした料理を提供している。
撮影/伊藤優太