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Special Interview 佐藤博之×バーミキュラ キッチンナイフ

鋼の包丁を家庭で使えるなんて、夢のようです

銀座の一等地に店を構え、世界中から来訪者が絶えない日本を代表する鮨屋が「はっこく」です。「はっこく」の代名詞といえば、マグロの握り。こだわり抜いたマグロの赤身と、そのネタにあわせて開発された究極の赤酢シャリで、たくさんの人々の舌をうならせてきました。店主の佐藤氏は、「シャリは鮨屋の命」だと語ります。そんな「はっこく」のシャリを炊くのに欠かせないのが、バーミキュラのライスポット。発売当初から、以来約10年にわたって、ライスポットでシャリを炊き、鍋で先付けのための野菜を調理していただいています。バーミキュラのものづくりに深い理解と共鳴を示していただいている佐藤氏に、新製品 バーミキュラ キッチンナイフをお渡ししたところ、「みんなにマストで持ってほしい道具」と太鼓判をいただきました。

誰もがすっと手に取って
最高の料理ができる包丁だと感じます

この持ち手もいいですね。木製のものは、質感や見た目は美しいですが、長く使っているとメンテナンスが必要。魔耗ですり減ったり、材質、素材によってはカビが生えてしまう場合もあります。

 

このバーミキュラ キッチンナイフは、自然に手に馴染む。違和感がないかどうかは、道具選びにおいて重要です。包丁は使っていくうちに手に馴染んでいくものではありますが、もともとの形状による使いやすさ、切りやすさはありますね。

 

実際に使ってみて、誰もがすっと手に取って最高の料理ができる包丁、という印象を受けました。

毎日調理したくなる
使い手の料理の腕が上がります

素晴らしいですね。このキッチンナイフがあれば、毎日料理したくなりますよ。

 

道具がいいと技術は上がります。いい道具を使った方が、いい仕上がりになる。これは料理に限らず、何でもそうだと思います。

 

そういう意味では、このキッチンナイフは使い手の料理の腕を上げてくれる道具。切り口、断面もスパッと切れる。すーっと入っていって、包丁の重みだけですっと切れます。

 

細胞が生きたまま切られているという感じでしょうか。

 

使いながらも、この道具を使ってどんな料理を作ろうか考えが巡ります。

手入れがしやすい、欠けづらい、錆びづらい
3拍子揃った、完璧な家庭用包丁

普段は、お店では鋼の包丁を、家ではステンレスの包丁を使っています。

 

鋼のような固さ、しなりがありつつ、軽いうえに薄い。

それに加えて、食材への匂い移りもしない。

料理をするうえで、包丁に求める特性がすべて備わっています。

 

これらの特長を持ちながら、手入れがしやすく、欠けづらく、錆びづらいから、長く普段使いができる。

3拍子揃った、完璧な家庭用包丁ですね。

 

素材を活かす、というのが最大の特長。切った断面は、すごく滑らかですし、包丁臭さが一切ありません。

本来、道具は食材の風味を邪魔しないかどうかが論点になりますが、これは逆においしくなる包丁だと思いました。

鋳物ホーロー製の柄と刃の
絶妙なバランスに驚きました

柄と刃のバランスもいいですね。

やっぱりそこはバーミキュラの技術力。絶妙なバランスで仕上げてきたなと思い、びっくりしました。

 

包丁の柄には、ある程度の重みは必要だと思っています。

適度な重さがあった方が自分の力じゃなくて、包丁の重みで食材を切れる。

 

鋳物の柄と聞くと、少し重いイメージがあるかもしれませんが、一切ない。むしろちょうどいいと思います。

おすすめどころの騒ぎじゃない
マストで持ってほしい道具

同じような刃の長さでも、包丁によって硬さ、厚さ、しなりも異なります。

その都度、食材と、包丁にあった使い方をしないといけません。

 

切れない包丁は、その分を技術でカバーする必要があるので、家庭用包丁で切る方が難しさを感じます。

魚をさばくときに限らず、肉を切ったりするときも同様です。その都度、切り方を変えています。

 

そういう意味でも、このキッチンナイフは最高ですよ。

切れる包丁だと、料理の腕に頼らずとも、上手に切れます。使い手にテクニックがなくても、切り進めていって上手になったような感覚を得られるし、恐らく本当に上達していく。それがいい道具の証だと思います。

 

一般の方にはお勧めどころの騒ぎじゃないですよ。マストで使ってほしいです。

鋼の包丁を家庭で使えるなんて
夢のようです

この包丁のよさは、料理のレベルを引き上げてくれる。もうそれに尽きるかなと思っています。

 

やはり重要なのは、刃の部分。分類としては鋼ですが、ステンレスのように錆びにくい特徴を持った、今まで包丁には使われてこなかった素材を使用している。この新しい技術をもって、家庭用の包丁に落とし込んだのが素晴らしい。

 

調理道具によって、料理がワンランク、ツーランク上に上がる、そういう体験ができる包丁だと感じます。

鋼の包丁を家庭で使えるなんて、夢のようです。

いいものは取り入れたい
ライスポットも包丁も最高の道具

今回、包丁の刃の製造工程を見学させていただきましたが、驚きしかなかったですね。職人さん同士の情熱と熱意、知識、経験、技術、その集積によって、このキッチンナイフができたのだと感じました。

 

ライスポットを使い始めたときも、バーミキュラの工場を見学させてもらいました。

 

鮨屋はシャリが命です。ライスポットが発売された当初、CMで「世界一美味しいご飯を目指した炊飯器」と謳っているのをみて、世界一美味しいご飯でシャリを作れたら、世界一美味しいお寿司が作れるはずだ、と興味を持ったのがきっかけです。

当時の鮨屋では、まだどこもライスポットを使っていませんでした。

 

昔ながらの手法である、羽釜で、火を調整しながら炊く方法が多かった。

ただ、そういった炊き方だと、どうしても作り手や環境によってブレが生じます。気温などによる微細な差を、経験に基づいた勘で調整しないといけませんでした。ライスポットは、誰が、いつ、どこで炊いても、失敗することなく炊ける。これからも、いいものはどんどん取り入れていきたいです。

 

これまで、アメリカ、イギリス、スペイン、ポルトガル、デンマーク、ブラジル、イスラエルなど、世界各国から弟子をとりました。ここで修業すると、みんな自国に帰ったあとも、自分の店でライスポットを使うようになります。

結果的に、はっこくから、世界中の鮨屋にライスポットを広げていますね(笑)

鮨を握る場所が変わっても
使う道具は変わりません

毎月、海外で鮨を握る機会がありますが、道具は変わらず。もちろんライスポットも持って行きます。

これからはキッチンナイフも持ってきますよ。仕込みに使いたいですね。

 

料理が楽しくなる道具だと感じたので、このキッチンナイフをきっかけに、料理をする人がたくさん増えていただければ、とても嬉しいと思います。

 

調理したいなというワクワク感が湧いてくる。バーミキュラ製品は、そのくすぐりどころをよくわかっているなと。

この包丁に恥じないような
料理を作っていきたい

こんなに素晴らしいものを作っていただいた以上は、同じ職人として、この包丁に恥じないような料理を作っていかないといけない。

 

バーミキュラからは、ものづくりに対する情熱と探求心が伝わってきます。鋳物ホーロー製でありながら無水調理ができる鍋の開発後、数年にわたって技術力を磨き、その鍋を軽量化。今回は、鋼のような切れ味でありながら錆びにくい包丁をつくっている。僕たちもその想いに応えて、料理していきたいと思います。

 

今後、長さがあって、裏すきの、片刃包丁が開発されたら嬉しいですね。

 

もし、バーミキュラから、魚をおろす出刃包丁と、お刺身をひく柳刃包丁が生まれたら、その包丁を使ってお客さんの前でパフォーマンスしたいと思います。

はっこく

佐藤博之

Hiroyuki Sato

サービスマンとして料理の世界に入り、その後、鮨職人に転身し鍛錬を積む。「鮨とかみ」に在籍中、赤酢を効かせた酢飯とこだわり抜いたまぐろで頭角を現し、ミシュラン一つ星を獲得。その後、独立し、銀座に「はっこく」を開店。店名には白黒はっきりつけて突き進む、という想いが込められている。日本の文化、職人技を世界に、次世代に広めることを使命とし、月に一度は海外に赴き鮨を握る。

撮影/工藤剛史(OVERA)

文/加藤久美子

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