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Special Interview 生江史伸×バーミキュラ キッチンナイフ

切れ味によって野菜の食感は変わる。素材の味を活かすキッチンナイフ

西麻布の大通りから1本入った閑静な街中に門戸を構えるのが、食材の持ち味を引き出した美しい料理で世界中を魅了する、フレンチの鬼才・生江史伸シェフが率いる「レフェルヴェソンス」です。2010年に開業し、翌年にはミシュラン一つ星、2015年には二つ星を獲得。そして、2021年からは三つ星に加え、サステナブルな取り組みを評価するグリーンスターとあわせて、最高峰の4つ星を6年連続で獲得。そんな偉業を成し遂げた生江シェフとバーミキュラは、実は10年間にわたり付き合いがあります。自分とバーミキュラには親和性を感じている、と語る生江シェフ。新製品、バーミキュラ キッチンナイフを使い、調理欲がかきたてられたそうです。

ハンドルのほどよい重みが刃を進めてくれる
切れる包丁でカットした野菜はおいしい

切れる包丁で仕事をするのと、切れない包丁で仕事をするのでは、作業時間が半分くらい変わるんです。

このキッチンナイフのハンドルは鋳物ホーロー製で、ほどよい重みがうまく刃を進めてくれる。無理に力を入れなくても、食材にすーっと入っていき、入った後もすべりがなく安定感がありますね。

 

切れない包丁を使って技術でカバーするのは、体力的にも消耗するし、食材にもダメージを与えてしまいます。切れる包丁だと、直感で調理を進められるので、スピードも、仕上がりの質もあがります。なにより、切れる包丁でカットした野菜は、本当においしいんですよ。

自分で切っているというより、
勝手に切り進めてくれる感覚

色々な切り方を試してみたくて、まず、トマトを極限まで薄くスライスしてみます。

 

ここまで細かく刃を入れていっても、まな板の上にトマトの水分が全く出ないですね。

これは食材の水分を中に保ちながら、きれいに切れている証拠。切れる包丁であれば誰でもできます。逆に切れない包丁だと、プロでもできません。

 

あれ、入ったのかな?きっと入ってるんだろうな、という感じで、すーっと包丁が自然に食材に入っていく。自分たちが切っているというよりは、勝手に切り進めてくれる、というような感覚ですね。楽しいです、切っていると。

 

野菜は、力を入れてガシガシと切っていくというよりは、包丁の切れ味を信じて、力をできるだけ抜きながら切ると、きれいに切れていく。力を入れずに切れるということは、刃のめくりをより抑えられて、長く使えることにも繋がります。

もしかすると、購入された方は、この切れ味に
最初はびっくりするかもしれないですね

一般的な包丁は、食材に刃を入れるときに、ある程度の抵抗が生まれます。バーミキュラ キッチンナイフにはそれがなく、スルッと気持ちよく入ってく。おーっ!という感じです。僕もはじめて切ってみたとき、おーっ!と言いましたよ(笑)ご購入いただいた方にも、きっと驚きを感じていただけるのではないかと思うので、皆さんの反応が楽しみです。

 

包丁は、自分の手先の一部のように馴染むかどうかがとても重要。こうして握ったときに不自然な感じがないのは、料理を作っていく一連の流れを良くしてくれますね。気分も良くなりますし、きっと美味しい料理につながるのだと思います。

 

だからこそ、誰かのために料理を作るときは、レストランであっても、プライベートの時間であっても、機能性の高い道具を選びたい。自分のお気に入りの道具を使うことの楽しさもあります。

 

この包丁も、私のお気に入りの道具のひとつになる予感がしています。

切れ味が心地よく、舌触りはパリッとする
僕の最も好きなタイプの “キャベせん” です

とんかつと一緒に盛られたキャベツの千切りがとにかく好きです。

 

とんかつは、キャベツの千切りをおいしく食べるために食べる、と言っても過言ではありません。そのくらいとんかつと盛られているキャベツの千切りにこだわりを持っていますが、これは僕が最も好きなタイプの “キャベせん” ですね。

 

できる限り細く切りたいのですが、細く切ろうとすればするほど、切れない包丁を使うと潰れていってしまう。この包丁は、抜群の切れ味で、勝手にキャベツの中に包丁が沈んでいく感覚です。これはすごいですね。ぜんぜん違います。

 

本当に細く切れますね。切っていくと、多少はしんなりしていくのですが、切り進めていってもパリッとしています。

 

断面もとてもきれいに切れている。押しつぶされていることはなく、どちらかというと、裁断されているように感じられます。切れ味があると、とても心地よい食感が生まれるんです。普通の包丁とは違いますね。

 

細く切ることで、キャベツの中に空気が含まれ、口に入れた瞬間に香りが一気に広がります。あとは食感ですね。うまく切れていると、キャベツに角ができて、舌触りがパリッとします。この包丁で切ったキャベツは、口の中で、パリッパリッという音がする。この音がきれいに切れている証明ですね。

 

非常に期待を超えた千切りができました。

自宅でも、このシャキシャキの千切りキャベツを作りたいと思います。

バーミキュラと出会って10年
私たちの共通点は、探求心

直感的に美味しいものができたときに、なぜ美味しくなったのかを知りたい。そういう時に、科学的な考察を通じて検証しています。大学を卒業後、独学で料理の道を歩んできた身としては、こういった自分自身の探求心を頼りに、やっとここまで来れたという感覚があります。

 

バーミキュラも、はじめから鋳物ホーロー鍋を製造していたわけではなく、織機を製造するメーカーから進化してきたということを聞き、そのバックグラウンドに強い親和性を感じています。

 

色々な経験をされているからこそ、今回の包丁もそうですが、これからも面白い展開がきっと出てくるんじゃないかなと期待しています。

この包丁で、野菜の持つ力を爆発させられる
可能性を感じています

2015年からコースで扱っている「お野菜の旅」は、野菜を主役にした一皿です。

 

とんかつと盛られるキャベツの千切りもそうですが、どうしても野菜はお肉の添え物や、脇役として見られることが多い。野菜、肉、魚に限らず、ひとつひとつの食材のポテンシャルを最大限に引き出し、すべての食材を活躍させたいと思っています。

 

この一皿は、そんな想いを込めて、野菜そのままの形がわかるようにカットし、盛り付けています。

 

この包丁で、野菜の持つ力を爆発させられる可能性を感じています。

 

切れ味によって食感が変わる、切るだけで素材の味を活かせるということは、これまでは手を加えないといけなかった野菜も、ただ切っただけで、そのまま美味しく食べられるということがあるかもしれない。

 

これから一緒に探求していきたいですね。

 

「L’Effervescence」エグゼクティブ・シェフ

生江史伸

Shinobu Namae

西麻布のフランス料理店「レフェルヴェソンス」のエグゼクティブ・シェフ。慶應義塾大学を卒業後、料理の道へ進む。「ミシェル・ブラス トーヤ・ジャポン」にてスーシェフを務めたのち、イギリスの3つ星レストラン「ザ・ファット・ダック」でも、スーシェフとして腕を振るう。帰国後、2010年に「レフェルヴェソンス」を開店。

撮影/工藤剛史(OVERA)

文/加藤久美子

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